学生時代に読んではまりました。
1981年から1983年まで週刊少年チャンピオン(秋田書店)に連載された手塚治虫先生の漫画作品です。
主人公の「七色いんこ」は、代役専門の天才役者にして泥棒という異色のキャラクター。七色いんこは、観客から盗みを働くのを劇場と劇団が見逃すことを条件に、どんな代役でも引き受けて見事に演じます。そんな彼に恋心を抱きつつも、彼を逮捕しようと追い回すのが、千里万里子刑事です。数々の演劇を下敷きにしたストーリーが展開します。
感想
役者泥棒・七色いんこと、彼を追う女刑事・千里万里子を中心にした、ミステリー&アクション色の強い作品です。
ずっと読み続けると、ラストに感動します。最終回にして、実は、壮大なラブストーリーだったと判明します。
男谷マモルという心理学者が千里の見合い相手としてたまに登場していたのですが、彼が実は七色いんこの変装だったと分かると同時に、七色いんこが最初からいかに千里を見守ってきたかということも分かります。
七色いんこは、初回で千里刑事と出会ったときよりずっと前から、彼女のことを想っていたのです。
ずっと万里子の片思いかと思いきや、最終話を読んでから改めて最初から読み返すと、また違った見方ができます。
シリアスな純愛と言えるけれど、一歩間違えればストーカーかもしれませんね!
突き詰めれば、いんこの長い片思いです。好きな人がそばにいても自分のことを覚えてなくて、それでも一途に思い続けたわけです。
さりげなく千里刑事を守っているのにドキドキしますね。
好きなエピソードは・・・
「ピーターパン」
「じゃじゃ馬ならし」
「青い鳥」
「ピグマリオン」・・・千里刑事は仕事のためとはいえ、半ば強引に、3ヶ月も一つ屋根の下に住みます。
本作の千里刑事は元祖ツンデレ。可愛いです。
モモコと万里子のギャップがすごすぎですね。全然面影がありません。