2020年12月3日木曜日

『鬼滅の刃』考察 「かぞえうた」(第16巻)に込められた伏線とは 

本記事は、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴著、集英社)を考察するものです。

※ 作品の登場人物や内容に言及があります。最終話までのネタバレを含みます。原作漫画を未読の方は本記事を読まないことをお勧めします。

※ 単なる個人による感想・考察です。

※ 画像は全て 『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴著、集英社) より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。


「かぞえうた」に込められた伏線とは 

『鬼滅の刃』第16巻(吾峠呼世晴著、集英社)

鬼舞辻無惨が産屋敷家を襲来した時(第16巻)に娘二人が歌っていたのはお正月の「かぞえうた」である。この歌に込められた意味も多義的である。

1)鬼舞辻無惨が産屋敷家を襲来したのは年始の可能性


鬼舞辻無惨が産屋敷家を襲来した時に娘二人が歌っていたのはお正月の数え歌である。

したがって、最終戦は年始早々の可能性がある。これは、3か月後となる第204話で、桜の花が咲いていることとも一致する。


2) 日の呼吸の13番目の型


十二とやの数え歌の歌詞は、

「十二とや 十二の神楽(かぐら)を舞い上げて 舞い上げて歳神様へ 舞納(まいおさ)め 舞納め」

12の神楽を舞い上げて歳神様へ納めるという内容だ。

これは、日の呼吸で12の型を舞い続けて円環をなし、13番めの型とすることと合致する。

『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴著、集英社)

新しい年を迎えるにあたり、夜明けまで竈門炭十郎が奉納の舞いとしてヒノカミ神楽を待っていたこととも趣旨は一致するだろう。

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「かぞえうた」のよく知られた歌詞は以下のとおりである。

「かぞえうた」

わらべうた(手まり歌)

一つとや 一夜(ひとよ)明ければ

にぎやかで にぎやかで

お飾り立てたる 松飾(まつかざ)り 松飾り


二つとや 二葉(ふたば)の松は

色ようて 色ようて

三蓋松(さんがいまつ)は 上総山(かずさやま) 上総山


三つとや 皆様子供衆(しゅ)は

楽遊(らくあそ)び 楽遊び

穴一(あないち)こまどり 羽根をつく 羽根をつく


四つとや 吉原女郎衆(よしわらじょろしゅ)は

手まりつく 手まりつく

手まりの拍子の 面白や 面白や


五つとや いつも変わらぬ

年男 年男

お年もとらぬに 嫁をとる 嫁をとる


六つとや むりよりたたんだ

玉だすき 玉だすき

雨風吹けども まだ解けぬ まだ解けぬ


七つとや 何よりめでたい

お酒盛り お酒盛り

三五に重ねて 祝いましょ 祝いましょ


八つとや やわらこの子は

千代の子じゃ 千代の子じゃ

お千代で育てた お子じゃもの お子じゃもの


九つとや ここへござれや

姉(あね)さんや 姉さんや

白足袋(しろたび)雪駄(せった)で ちゃらちゃらと ちゃらちゃらと


十とや 歳神様(としがみさま)の

お飾りは お飾りは

橙(だいだい) 九年母(くねんぼ) ほんだわら ほんだわら


十一とや 十一吉日(きちにち)

蔵開(くらびら)き 蔵開き

お蔵を開いて 祝いましょ 祝いましょ


十二とや 十二の神楽(かぐら)を

舞い上げて 舞い上げて

歳神様へ 舞納(まいおさ)め 舞納め