2019年9月19日木曜日

『アンドロメダ・ストーリーズ』 (竹宮 惠子, 光瀬龍) の感想 Andromeda Stories

竹宮惠子先生の『アンドロメダ・ストーリーズ』を読みました。これも内容の濃い作品でした。

本作は、光瀬龍原作・竹宮惠子作画のSF漫画です。

アニメ化もされています。

朝日ソノラマの月刊『マンガ少年』1980年11月号から1981年5月号および同社の月刊『デュオ』創刊号・10月号から1982年11月号に連載されました。



以下ネタバレ注意です!!





あらすじ


舞台は、アンドロメダ星雲の片隅に位置する惑星アストゥリアス。平和を謳歌していたコスモラリア帝国でしたが、外宇宙より到来した自律型コンピューターによる侵略を受け、人々は精神を乗っ取られてゆきます。

レジスタンスにより救われた王位継承者の王子ジムサと、双子の妹アフルは、互いの存在を知らされぬまま熾烈な戦いに身を投じていました。

数奇な運命に翻弄されつつ二人は出会い、女戦士イルらと共に、機械との最終決戦の場へと向かうのでした。

イルがかっこいい


謎の女戦士、イルが素敵です。

ラストシーンの意味


老師の宇宙船が衝突し、地上の人々は機械都市もろとも滅びます。

イルの助けによりアークの宇宙船で脱出したジムサとアフルは、アークたちの故郷の惑星へ向かうことになりました。

二人は、カプセルの中で抱き合いながら冷凍冬眠に入ります。2000年後に到着したソル太陽系・第4惑星グローヴは、機械に支配されたため自爆し小惑星帯となっていました。アークの宇宙船は代わりに第3惑星に着陸しました。アークらがジムサとアフルに呼びかけるものの、2人が目覚めることはありませんでした。ジムサの言った通り、アークの宇宙船は、正常な航行速度で移動したときに、人間に耐えられるものではなかったようです。

アークの宇宙船は海底に沈み、アークらも朽ちていったようです。

その後、微生物が発生し、新たな生き物たちが発生するシーンが描かれます。

初見ではその意味がわかりませんでした。

どうやら、これは、ジムサとアフルの体が、生命の起源となったことを描いているようです。

パンスペルミア説を思い出しました。これは、生命の起源に関する仮説のひとつで、生命は宇宙に広く多く存在し、地球の生命の起源は地球ではなく他の天体で発生した微生物の芽胞が地球に到達したもの、とする説です。パンスペルミアは、ギリシャ語で「種をまく」という意味があります。