コレットを見捨てたハデス様にしっくりこない
ハデス様をこよなく愛する私ですが、ヘラクレス回のハデス様に対しては厳しい目をもって見てしまう。というか、しっくりこない。
ケルベロスを奪いにきたヘラクレスに人質にされてしまい(3話)、ハデス様が迎えに来てくれます(4話)。このヘラクレス回を読むとき、いつも、引っ掛かりを感じます。ハデス様がコレットを見捨てるから。
2話もそうだけれど、本当に、1巻の二人の間には甘さが全く感じられない。恋愛どころか、ハデス様、コレットを切り捨てておる。もちろん、その後コレットを助けに行っているから、すっかりコレットを見捨てたわけではない。
でも、ハデス様が、ケルベロスとコレットを天秤にかけて、ケルベロスを選んだことは明らか。そのことは、「断る」という言葉でも、4話の、もう天秤にはかけない、という言葉でも繰り返し示唆されている。
ハデス様は冥府の王様。冥府のためには番犬のケルベロスを渡すわけにはいかない。王としての冷静な判断。そこに、コレットに対する私情はない。まさに、冥王さまだ。
しかも、この時点で、ハデス様は、ヘラクレスがどんな奴かもほとんど知らない。むしろ、冥府に侵入した、危ないやつではないか。そんな男にコレットが連れ去られてしまうわけですよ。殺されてもおかしくないじゃない。
にもかかわらず、コレットを見捨てたハデス様の判断が、私の中では引っかかる。
すぐにヘラクレスを追ったというわけでもないし。ヘラクレスの手当てをして、昔語りをする時間程度には、時間が経過していたわけでしょう。もちろん、その間、ハデス様は黒幕の調査などをしていたわけですが…。
私ならもう二度と冥府なんぞに行くものか、と思ってしまうな。コレット、いい人過ぎるよー。
4話では、ハデス様は、コレットのむきだしになった足(ヘラクレスの手当てのために服を破いて包帯を作ったから。)を隠そうと、無言でマント(布?)をかぶせる。一応コレットが女子だから気遣っているようにも見えるけれど、それでは、前半の行動(見捨てる)と矛盾するような気がする。
また、4話のラストで、傷つくことを恐れずにハデス様に対して踏み出したコレット。その想いに応え、コレットに「冥府の薬師」、「私の薬師」と呼んだハデス様。これで一応まとまったというか、一件落着のようにも見えるけど。なんだか釈然としないのですよね。うーん。
このヘラクレスのエピソードだけが、自分の中でいまいちストンと落ちていないのです。府落ちするまでもう少し検討したいと思いますが…。