ブスに花束を。41話「どこにでもある恋の話」(作者: 作楽ロク、掲載誌:ヤングエース 2019年11月号)の感想記事です。
※ ネタバレを含みますのでご注意ください。
※ 前回の感想記事:
ブスに花束を。40話「エスコート下手たちのダブルデート」の感想
今回のストーリーは本当に感動しました。今までブス花を読み続けてよかったと思いました!
未読の方は、ぜひ、ネタバレを読む前に、本編を読んでほしいと思います。
前回のあらすじ
田端さん、大塚さん、新橋君、上野君の4人でダブルデートが始まりました。途中で居眠りする上野君。田端さんの肩にもたれかかったので、田端さんは映画に全然集中できませんでした。一方、新橋君は大塚さんの笑顔にドキッとします。映画終了後、二人きりになった田端さんと上野君。田端さんは勇気を振り絞って告白しようとしますが、そこへ上野君のバイト仲間の少年から「田端?」と声をかけられます・・・。
上野君のバイト仲間の正体が明らかに
冒頭で、新キャラの上野君のバイト仲間の正体が判明しました。
田端さんが中学3年のときのクラスメイトでした。
その名も、「赤羽君」でした!
「ブスに花束を。」の主要登場人物は、苗字がJR山手線・京浜東北線の沿線の駅の名前です。赤羽駅も、JR京浜東北線の駅ですね。ということは、赤羽君は今後もブス花のストーリーに深く関わってくるということでしょう。
ただし、赤羽駅は京浜東北線の駅ではありますが、山手線の駅ではありません。したがって、赤羽くんは、準主要キャラ、あるいは、山手線組とは一線を画すキャラになる気がします。実際、高校も違いますしね。
彼の周りにはいつも笑い声があって
自然と輪が出来るみたいだった
リア充キャラという点では上野君と共通するようですが・・・
田端はやめてよ
流石にきっついって
だって田端はさ・・・
・・・じゃん
というセリフと
赤羽くんの周りの笑い声は
いつも少しだけ怖かった
という田端さんの独白からして、天然キャラの上野君とは違ったタイプのリア充のようです。
田端さんの喪女キャラとしての人格形成、ネガティブ思考に赤羽くんの過去のセリフも影響してそうですね。案外、田端さんが黒上野君を想像するときに、無意識に赤羽くんとの過去のやり取りがあるのかもしれません。
「田端はやめてよ」というセリフの前の一コマで描かれた一瞬の間、それから、「……またミスったなぁ」というセリフからすると、赤羽くんの真意は言葉とは違うようにも感じます。つまり、赤羽くんは軽いキャラという外面とは裏腹に、田端さんに好意があったのではないかと思うのですよね。
赤羽くんが今後当て馬キャラに成長するのか、それとも、田端さんのネガティブ思考に拍車をかける方向に働くのか、要注意です。
今回、赤羽君は明らかに上野君の田端さんへの好意について気が付いています。それが彼の心に火をつけるのか…?
常にブレない上野君
赤羽くんが田端さんと中学の同級生と知った上野君。田端さんの中学校の名前もちゃんと覚えていたことがうかがわれます。
へ~赤羽くん一中なんだ?
そして、周りの反応がネガティブであろうと、何と言われようと、田端さんへの好意がブレない上野君。尊いです。
『ベリ甘』だよ?
チケットは…うん
田端に喜んでほしかったから
だし…
この上野君のセリフをきいて、赤羽くんも上野君の田端さんへの好意について察したようです。
誰が何を言っても
田端が好きだ
上野君、もう、何度目のセリフでしょうか。田端さんにわかってもらうのには、時間がかかるし、何度でも繰り返さないといけません。鶯谷さんの助言もあって、上野君もだんだんとわかってきたようです。
遂に両想いに!
遂に二人が両想いになりました。律子さん、ナイスアシスト!
赤羽くんと田端さんの関係を誤解した上野君。多少こじれましたが、誤解も無事に解けました。
田端さんの叫びは、万感の思いをもって受け止めました。彼女のネガティブ思考の根底にあるのは「私はブスだから」という想い。まず第一話の冒頭で描かれていましたよね。
甘酸っぱい
少女漫画みたいな
恋は
きっと私には訪れない…
なぜなら私はブスだから…
この容姿コンプレックスこそ、彼女を恋愛へ踏み込むのを立ち止まらせる原因でもありました。それを「両想いなだけだよ」と言って受け止める上野君。素晴らしいです。
今回のタイトルの意味
今回のタイトルは、「どこにでもある恋の話」。
容姿に自信のない田端さん。自分が相手では、上野君が周りにいろいろ言われて面倒になると気遣います。上野君のことを想ってのことですが、却って事態を複雑化しすぎているように思えます。(このすれ違いこそがブス花の真骨頂ですが。)
そんな田端さんに、上野君は言います。
誰が何を言っても
田端が好きだ
…何も難しくないじゃん
両想いなだけだよ
上野君の言うように、周りの反応はさておき、二人が両想いだということ、大切なのはそのことです。田端さんも、構えず、もっとシンプルに受け止めて、上野君と恋をすれば良いのです。
「ブスに花束を。」という本作のタイトル。我々読者も、つい、主人公がブスだと、それを前提に読んでしまいがちですよね?
しかし、「ブスとリア充の恋愛」、というキワモノ的なものではなく、「上野君という男の子と、田端さんという女の子の恋愛」と受け止めるべきなのです。読者も、先入観、偏見に気づかされますね。(映画「評決のとき」を思い出しました。)
そういった意味でのタイトルなのかなと思いました。
チューリップの花言葉は
今回の表紙には、チューリップが描かれています。
チューリップの花言葉は「思いやり」です。
赤色のチューリップの花言葉は「愛の告白」「真実の愛」。
まさに今回のエピソードにふさわしい花でしたね。
次回の「ブスに花束を。」第42話の展開予想
今回のラストでついに両想いになった田端さんと上野君。内緒でお付き合いすることになりました。田端さんの言う通り、嘘はつけなさそうな上野君ですから、いつまで隠し通せるかは疑問ですが(苦笑)。
次回は、恋人になった二人のエピソードが描かれるのではないかと思います。ブス花ですから、そう簡単にラブなエピソードが描かれるとも思われませんが。今回シリアスだった分、次回はギャク回という可能性もあります。
しかし、一方で、次回は7巻の最後のエピソードとなるはずなんですよね。(ブス花では、コミックス1冊につき、6話収録されています。これまでの収録パターンを踏襲すると仮定すると、7巻には第42話まで収録されるはずです。)
そうすると、次回の第42話は、次巻への引きの強い、ムズキュン展開になる気がしております。
楽しみです!
来月号はブス花の付録がつきます
12月号のヤングエースに、ブス花の付録がつくそうです。クリアファイルですって。かつて田端さんがベリ甘のクリアファイルを上野君の鞄にまぎれさせてしまったときのエピソードを彷彿させます。
今までは電子書籍媒体で本作を購入していたのですが、来月は紙版を購入しようかな!
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ブスに花束を。42話「新日常」の感想