見た目重視のヤンデレヒーロー
よく読むと、巴衛は外観ばかり気にして本質を視ていない(十二鳥居、年末闇市、錦編、過去編)ということが繰り返し描かれており(詳細は、別途考察)、奈々生の愛し方も、ある意味病んでおり、少女漫画のヒーローとしてどうなの、と思わないでもない。
でも、奈々生が満足しているなら良いのかな・・・そもそも妖怪だし・・・
500年におよぶヒロインの呪いの言葉
一方、時廻り中に奈々生が巴衛に言った、「私は未来であなたの妻になるわ」という台詞も、とらえようによっては、巴衛に呪いというか、呪縛をかけてしまったよね。巴衛はそうと言われなければ待たなかったわけだから・・・
もちろん、奈々生の言葉に悪意はない。むしろ気持ちにこたえたいというピュアな想いから出た台詞なんだろうけど・・・
これも巴衛が気にしていないなら良いのかな・・・
雪路の死の遠因は・・・
さらに言ってしまえば、雪路が悪羅王に殺される遠因を作ったのは、奈々生なんだよね。奈々生が雪路のふりをしなければ悪羅王が雪路を執拗に狙うこともなかったわけなので。
タイムトラベル物もいろいろあるけれど、本作は時廻りした事実自体が元の歴史に組み込まれているパターンなんだよね。
奈々生が最後まで雪路の死の真相(巴衛のおもちゃを壊すのが大好きな悪羅王に殺されたということ。)を知らずに済んだ、というのは本当によく考えられた展開だと思う。もし奈々生が知ってしまったら悩んでしまいそうだ。逆に悩まず平然としていたら読者的に嫌だし・・・。
結論:深読みすると本編が一番怖い
掲載誌も少女漫画誌で、ライトに描かれているんだけど、深読みすると結構ドロドロしていると思う。恋愛というよりは、執着とか偏愛っぽいところが・・・。
いずれにしても、巴衛も奈々生をお互いを深く想い合っているし、奈々生も雪路も深く繋がっているので、あまり深読みしないで楽しみたいと思う。