2020年8月26日水曜日

「神様はじめました」考察 しいたけは何を意味するのか?

本記事は、『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ著、白泉社刊)を考察するものです。
※ 作品の登場人物や内容に言及があります。ネタバレを含みます。原作漫画を未読の方は本記事を読まないことをお勧めします。
※ 単なる個人による感想・考察です。
※ 画像は全て 『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ著、白泉社刊) より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。

今回は、作中で描かれる「しいたけ」は何を意味するのかを考察します。




しいたけ


しいたけは、奈々生の嫌いな食べ物です。

作中、しいたけは、巴衛の奈々生に対する素直じゃない気持ち、ツンツン、怒りなどを象徴するモチーフとして描かれています。


水族館デートで奈々生を振った日の翌日に食べさせようとしています。

5巻冒頭、瑞希が第二神使になった翌日に食べさせようとする巴衛・・・奈々生が自分の知らないうちに瑞希を勝手に神使にしたことに怒っているのです。

出雲篇で、奈々生が好きだと自覚した日の翌日に食べさせようとする巴衛・・・奈々生に対して素直になれない気持ちの表れです。

11巻、ハンバーグにしいたけをまぜて食べさせようとしているけれど、奈々生の笑顔を見て取り除く・・・事前に何か怒ることでもあったのでしょうか? 登場する奈々生の表情はさわやかなので、奈々生の預かり知らぬところで巴衛が勝手に拗ねるような出来事があったのでしょう(直前のエピソードである、十二鳥居での求婚を奈々生がすっかり忘れてしまっていることかもしれません。)。


第11巻

第11巻

20巻、怒りに燃えながらしいたけを調理する巴衛・・・「人間になりたい」という巴衛でしたが、奈々生は一旦ストップをかけます。そして、学校も巴衛を置いて先に帰ってしまったようです(直接描写はされていないのですが、「よくも俺を置いて行ったな」という台詞から推察されます)。巴衛は「奈々生と一緒に生きるために人間になりたい」という気持ちを受け入れられず、また、奈々生と唯一二人きりになれる通学時間を楽しみにしているのに奈々生が先に帰宅してしまったので、拗ねているのです。つまり、巴衛は、「奈々生とずっと一緒にいたい」という気持ちを悉く受け止めてもらえずに拗ねているのです。
20巻