2020年8月13日木曜日

「神様はじめました」考察 花と花言葉

本記事は、『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ著、白泉社刊)を考察するものです。
※ 作品の登場人物や内容に言及があります。ネタバレを含みます。原作漫画を未読の方は本記事を読まないことをお勧めします。
※ 単なる個人による感想・考察です。
※ 画像は全て 『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ著、白泉社刊) より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。



今回は、本作品のなかで描写されている様々な美しい花々についてです。

花が意味のあるモチーフとして使われていると感じました。花言葉などをチェックすると面白いですよ。


桜の全般的な花言葉は、「精神美」「優美な女性」「純潔」です。

桜の花は、巴衛と奈々生の思い出の花ですね。500年前の桜の木の下でのデートや、巴衛が500年前に奈々生と出会った思い出を回想するシーンでもでてきますね。

また、鞍馬山篇で二郎が奈々生に一目惚れし、その後求婚するシーン、そして、寿命が半年と宣告された奈々生が温かさと自らの生命の儚さを感じるシーンで描かれています。

桜は満開時の優美な姿、そして散る際の潔さ、その風景に表面だけではなく芯の通った内面の美しさ、散りゆく姿のはかなさを感じさせます。まさに一瞬一瞬を大事に生きる人間の生きざま、人間の強さと美しさと言った、本作品のテーマを体現する花と言えるでしょう。


第25巻

山百合


山百合の花言葉は「荘厳」 「威厳」 「人生の楽しみ」 「純潔」 「飾らない愛」です。

巴衛が奈々生に対して抱くイメージですね。第11巻の年末の闇市で、奈々生が独力で妖怪を退けたときの感想でした。

白無垢を試着した時にお祝いでもらっている花も・・・山百合の花束ですよね?
第25巻第145話


牡丹

牡丹の花言葉は「風格」「高貴」です。

牡丹は巴衛のイメージです。

第1巻第1話
初回登場時から、牡丹の花を背景に現れますね。

物語の終盤でも牡丹を背負って出てきます。


第22巻第126話

第22巻第131話


梅の花


梅の花は、瑞希とヨノモリ様の花ですね。

梅の花には数多くの花言葉がありますが、梅の花全般の花言葉は、「上品」「高潔」「忍耐」「忠実」です。その由来は、梅の花の最盛期が2月とまだ寒さが厳しい時期のため、寒風が吹く中、凛と咲きほこる梅の姿からつけられました。

まさに、神使として忠実に、辛抱強く仕える瑞希を表すに相応しい花ではないでしょうか。


第3巻 表紙



赤い彼岸花


赤い彼岸花の花言葉は、情熱、想うはあなたひとり、あきらめ、再会、悲しい思い出、また会う日を楽しみに。「あきらめ」は、仏教用語では、「真実」「悟り」という意味。自分の心と向き合い、真実をみつめ「明らかにする」という、残された人の心を癒す言葉です。

巴衛が狐から元の妖怪の姿へ戻るために必要な球根の咲かせた花でした。自分の心と向き合い、真実をみつめ「明らかにする」という、あの場面に相応しい花でしたね。

椿の花


霧仁が椿の花を園芸ばさみでパチンパチンしているシーン、結構怖いですね。

椿は冬でも青々と茂ることから、神社や寺に盛んに植えられているほか、邪を払う木として家の境に植えられています。

一方、椿の花は「首が落ちるように散るから不吉」と言われることもあるそうです。

霧仁さん、何を切っているのでしょう・・・。

花の付け根の部分からパチンしているところが、怖いです・・・。



20巻に登場した紫殿は、「紫」と形からして藤ではないかと思って検索したところ、アニメ公式のTwitterのツイートがありました。やはり紫殿は藤の花に変わったようです。

藤の花言葉は「優しさ」「歓迎」「決して離れない」「恋に酔う」。

恋した女性が亡くなった後も決して離れなかった、紫殿そのものですね。