2020年9月19日土曜日

進撃の巨人 132話「自由の翼」の感想 Attack on Titan Chapter 132 


本記事は、『進撃の巨人』(諫山創)第132話(別冊少年マガジン2020年10月号)の感想記事です。

※ ネタバレを含みますのでご注意ください。

※ 関連する感想記事 進撃の巨人 131話「地鳴らし」の感想

感想


別冊少年マガジン2020年10月号 に掲載された、進撃の巨人第132話の感想です。

第132話


感じたことをばらばらと記載します。

アニとアルミンは想いが通じたようです。

私はアニがあまり好きではないので、「ふーん」という感じで読んでしまいました・・・だってペトラとか、みんなアニに殺されたのに・・・。アルミンもこんなときになんだろなーと思います。ハンジさん死亡展開だから余計に素直に喜べない・・・。


そしてフロック。フロックは、最後までフロックでした。物語における彼の役目を順当に果たして散っていきました。

「今日はダメでも・・・いつの日か」


フロックの今わの際の言葉に対するハンジさんの台詞です。

「でも・・・あきらめられないんだ 今日はダメでも・・・いつの日か」

ハンジさんもアルミンも、理解し合いたいという点で共通していました。ハンジさんのこの台詞は、今は敵対し合う間柄でも、島の人々と島の外の人たちも分かり合えることを信じているということだと思いました。

「理解することをあきらめない力」

「アルミン・アルレルト 君を15代調査兵団団長に任命する 調査兵団団長に求められる資質は理解することをあきらめない姿勢にある 君以上の適任はいない 皆を頼んだよ」
ああ、ようやくストンときました。諌山先生からの回答ですね。エルヴィン、ハンジ、アルミン。彼らに共通していたのは、「知りたい」「わかりたい」という原動力でした。たしかに、アルミンが相応しい。求められていたのは、巨人をなぎ倒す戦闘力ではなかったのです。

そして、ハンジさんがアルミンを調査兵団団長に指名した時に、なぜアルミンを指名したのか、意味を説明してあげていて、優しいなぁと思いました。ハンジさんは、なぜ自分が調査兵団団長に選ばれたのか、悩んでいましたからね。

「理解することをあきらめない力」

戦後まで見据えた発言でしょう。

おそらく、アルミンとミカサは最後まで生き残る気がします。

「心臓を捧げよ」



リヴァイの、最初で最後の「心臓を捧げよ」。

仲間が生き残ることが優先だったリヴァイが、言わなかったそのセリフ。

ハンジさんが一番言ってほしい台詞を言ったリヴァイの気持ちを想うと胸がつまります。

リヴァイがハンジさんを叩いたポーズは、ケニーが注射器をリヴァイに託した時のポーズと同じだから、リヴァイは自分の心臓をハンジさんに託した、ということだと思います。心は一緒にいる、ということかなと。もう、リヴァイの心は半分死んじゃったんじゃないかな・・・。

ハンジさんの雷装2本とブレードだけであの超大型巨人に立ち向かう姿。

美しくて、切なくて、涙なしには読めませんでした。

あのとき森でリヴァイと余生を送る道もあったのに、やめられなかった。ハンジさんは最後までハンジさんでした。

そして、遂に、ハンジさんが死亡退場してしまいました。

本当に大好きなキャラクターだったので、寂しくてなりません。

最後まで、巨人に片想い。


エレンは・・・
もうエレンに対してどんな感情を持てばいいのかわからない。

みんな、エレンのおかげで救われて、
みんな、エレンのせいで死んでいく。

ハンジさんはエレンに殺されたようなものですが、「エレンの馬鹿がさぁ」で済ませてあげるハンジさん。

モブリットが差し伸べた手をつかみ、起き上がり・・・ずっとずっと、みんなにしゃべりつくしてほしい。

最後に見たのが走馬灯だろうと、あの世だろうと、ハンジさんの最期はなんだか優しく描かれていました。

本当にここまで彼女はがんばったものね。

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主要登場人物の死亡退場が当たり前の『進撃の巨人』。毎回不安におびえながら読んでいます。

あまりにつらいので、キャラとの距離は置いて読むようにしていますが、さすがに今月号はきつかった。

最後まで見届けるつもりですが・・・

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【9月19日追記】


前回、ハンジさんがエレンの記憶の断片に出てきたけれど・・・あれはエレンが未来に見る光景ではないね。ハンジさんがリヴァイを助けて川岸に上がった直後の描写ではないだろうか。
おそらくエレンの継承者はいないのだろう。土に還ると思うよ。鳥やら虫やら、生き物がみているのだろう。

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進撃の巨人は距離を置いて俯瞰して読むようにしていたのだけれど、最近の展開にモヤる。

連載を追いかけるのはやめて完結してから読もうかなぁ・・・。物語のテーマ、メタ的視点による作品理解とは別に、

物語上で展開される登場人物たちの幸福を願ってしまう自分がおり、

大好きなキャラがどんどん死んでいくのが耐えられなくなってきた・・・このような作品の場合は、完結後に、登場人物たちの行く末に対する感情とは距離を置きながら、作品テーマを考えながら俯瞰して読む、という読み方が自分には合っているような気がしてきたわ。連載中に追いかけるメリットは、同時進行で他の読者の皆さんの感想を共有し、作品の理解を深められることでしょうが・・・