2020年10月10日土曜日

「神様はじめました」考察 最終話以降の予想

 本記事は、『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ著、白泉社刊)を考察するものです。

※ 作品の登場人物や内容に言及があります。ネタバレを含みます。原作漫画を未読の方は本記事を読まないことをお勧めします。

※ 単なる個人による感想・考察です。

※ 画像は全て 『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ著、白泉社刊) より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。


今回は、最終話のその後がどうなったかの予想です。

連載終了後も番外編が幾つか出ていますが、最終話以降については描かれていません。

読者の想像にお任せということでしょうから、自由に考えてみたいと思います。

あくまで私の個人的な想像です!


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最終話のその後の予想


巴衛は心の修行を終えたので、おそらく巴衛も奈々生も、またみんなと繋がってワイワイ楽しく過ごしてると予想する。奈々生が帰りたい動機も「家族」との再会だから。

巴衛は精神的にも見た目に合った真のイケメンとなり、奈々生や子どもを「心の神様」として生きていくのだろう。



「また神様はじめました」!?

10年後の二人をみると、巴衛はまだ不思議なものが見えるようだが、奈々生は人外の世界とのつながりは消えてしまったようである(25.5巻「その後の二人」)。

しかし、本編でも、鞍馬の羽で不思議なものをみることはできていたので、そういった人外のものや、ミカゲ様の力などで、人外の世界との交流も可能そうだ。よって、瑞希、鬼切たちとの交流は当然復活しているだろう。実家に戻る動機も奈々生が「家族」のように親しんできたミカゲ社の者たちとつながることだったから。

「生きたいように生きる」というのが作品のテーマの一つだったから、なりたいものにはなんでもなれるはずだ。また土地神をやることだって十分可能だろう。

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最終話には、「みんな ありがとう!また会おう」という台詞がある。

ということは、巴衛と奈々生がミカゲ社に戻った後は、ミカゲ社のメンバーだけでなく、その他の人外とも交流を再開するということではなかろうか。

奈々生がまた土地神をするのかはわからないけど、「本質」を重視する世界観では役職すら重要ではないのかもしれない。

もっとも、「実家帰って家業を継ぐ」という周囲の話しから素直に考えると

「実家」=神社

「家業」=土地神

なので、「また神様はじめました」となってもおかしくない。

ここは、まさに読者の想像に委ねられているのだろうが、あのまま一切の人外と永遠の別離になってしまったのも、人間社会で修行した二人が今度は人間同士の縁結びに尽力するのも悪くないのではないか。

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巴衛


巴衛は「家業を継ぐ」といって前職を辞めたので、ミカゲ社でも何か神社に関係した仕事に就くのだろう。神主さんかなと思ってる。

神社で託児所をやりたいという奈々生の目標をサポートする意味でも。神社を盛り立てて、人もお金も集まる場所にする。かつて奈々生が巴衛を想ってお祭りを頑張ったように、今度は巴衛が奈々生のためにがんばるのだ。

神主は、500年の神使の経験+10年の心の修行の成果を活かせるので彼には向いているだろう。

そして、巴衛はいよいよ人間同士の縁結びのお手伝いをしてほしい。それでこそ彼の心の成長の成果も活かされるというものだ。

「イケメン神主さん」がいるということで、ミカゲ社には毎日縁結び祈願の人々が訪れ、大賑わい。

何よりも、巴衛にはぜひ和服をきてほしい。最終話の最後のカットに描かれた和服の巴衛は人間になってもやはり麗しかった。

火の神様のご利益は金運と仕事運だから、ミカゲ社のご利益に、縁結びの他に金運・仕事運も加わるかもしれない。

奈々生

『神様はじめました』の最終話の表紙の奈々生が着ている着物の家紋は、三つ藤巴。藤紋は日本十大紋の一つ。藤は長寿で繁殖力が高いことから「不死」の植物として、縁起がいいとされている。このことからも、家系の短命問題は解消され、奈々生は長生きして子沢山になるだろう。

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奈々生は「いつか託児所をやりたい」なので当面は子育てに専念。その後境内で託児所を開設。彼女は寂しい子ども時代を送っていたので、そんな子どもたちに手を差し伸べ続ける。ポジションは「神」でなくても、やってることは同じ。奈々生も「人の子の親」なので、もう命がけの人助けはしないだろう。でも、「目の前に困ってる人がいたら助けたい」という彼女の姿勢は変わらず、人間としてできることを尽力し続けるだろう。それが託児所なのだ。


奈々生の髪が短くなってしまったのは少し寂しい。保育園で働くには確かに長い髪は邪魔だろうけれど。また伸ばして巴衛のかんざしをつけてほしいなぁと思うのだ。


瑞希

巴衛と奈々生が二人でミカゲ社を出る意味は、それぞれの保護者からの自立である。二人の子どもは瑞希にすればいわば孫のようなポジションであり、おそらく瑞希は溺愛する筈だ。

逆に以前のように巴衛と瑞希が激しく喧嘩をすることはないだろう。最終巻で鞍馬が言った、「お前らのケンカもこれで見納めか」という言葉は、俯瞰すれば最終的な巴衛と瑞希の関係性の変化を指すものだ。巴衛と奈々生の絆が強まり、安定化しているという前提でミカゲ社に戻るので、穏やかな日々を送ることだろう。

一緒に月見酒でも楽しみながら、月の神様を近くに感じているかもしれない。

瑞希の作る神酒もまさに大人になった奈々生ものめるようになって、瑞希は嬉しいだろう。

長男くん


本編中描かれた巴衛は、牡丹丸ですら嫉妬しており、大人気なかった。しかし、彼も大人の男性になっているので、子どもに対する接し方も違うだろう。何よりも愛する奈々生の息子である。ミカゲ様にたくさん愛情をそそいでもらっていたのだ。息子もぜひとも可愛がってくれるのではないかと思っている。

巴衛は親子関係なるものは初めてだろうから、子育てでちょっと苦労したり、子どもの相手に戸惑うだろうけど、それこそ生真面目にいろいろ調べてがんばるだろう。育児書を何冊も買いこんでそうだ。

元大妖怪と元神様の間に生まれたある意味サラブレッドの資質をもつ長男くんは、人間でありながら不思議なものが見えたり、人格的にも優れ、周りのもめごとを解決してしまう拝まれ屋さんになっているかもしれない。


続編の可能性は?


巴衛は「自己制御可能な火」になってすっかり落ち着いているだろうし、彼のテーマは本編で描き切られた感がある。巴衛が主役をはって続編が描かれることはなさそうだ。奈々生も同様である。

私個人としては、巴衛と奈々生が平穏にラブラブしている日常エピソードでもよいから読みたいのだけれど。

もし続編の余地があるとしたら長男くんだろうか。彼を傍観者的立場において不思議な事件がオムニバス形式で展開するアナザーストーリーだ。

もしくは同じ世界観で全然違うキャラクターで回していく・・・。

一方で、本作の最大の魅力は、巴衛と奈々生と瑞希の三人のキャラクターの魅力と関係性にあるので、この三人が活躍しないのは「萌え」が足りない気がする。