本記事は、『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ著、白泉社刊)を考察するものです。
※ 作品の登場人物や内容に言及があります。ネタバレを含みます。原作漫画を未読の方は本記事を読まないことをお勧めします。
※ 単なる個人による感想・考察です。
※ 画像は全て 『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ著、白泉社刊) より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。
前回の記事 「神様はじめました」考察 夜鳥の企み③ 美のカリスマ「煌かぶり」の芸術活動 狙われたのは巴衛 『桃太郎の鬼退治』
「夜鳥」のなりたち
夜鳥=煌かぶり+毛玉+助六+その他出雲の神々
夜鳥=煌かぶり(悪趣味)+毛玉(悪臭)+助六(卑しさ)
夜鳥の器と本質は入れ子構造
役割、性格、技、口調からして、おそらく、
食べられた順番に本質⇒器の関係となっている。
- 煌かぶり
- 毛玉
- 助六
「煌かぶり」
- 煌かぶり=煌被り=煌(火+皇(かがやく))+被り(頭に被るもの)=巴衛(火)を被って(融合して)輝きたい
- 煌かぶり=きら頭=集合体たる夜鳥の頭(あたま、かしら)=ボス
「毛玉」
毛玉の夢・・・悪羅王と同化したい。
毛玉はおそらく本質を見抜く力を持っている。それは毛玉のつぶらな大きな瞳と、巴衛の恋心を見抜いた力に伺われる。
夜鳥が狐型の巴衛を見抜いたのはおそらく毛玉の能力であろう。
- 編物の毛糸などの一部が小さく寄り集まって、玉のようになったもの。
- 猫などの胃や腸の中にたまった毛がかたまって球状になったもの。毛づくろいなどで毛をのみ込むことによりできる。
「助六」
稲荷寿司と巻き寿司の詰め合わせのことを「助六」と呼ぶようになったのは江戸時代中期から。稲荷寿司や巻き寿司を詰め合わせた寿司折が登場し、油揚げの「揚げ」と巻き寿司の「巻き」から「揚巻」と呼ばれるようになった。
揚巻=稲荷寿司+巻き寿司
また、江戸時代では、市川團十郎の歌舞伎十八番である「助六由縁江戸桜」が大流行していた。 そして「助六由縁江戸桜」の主人公・助六の愛人である吉原の花魁の名前も同じく「揚巻」という名前。このつながりから、寿司の揚巻も歌舞伎の助六の人気にあやかるようにと、「助六」と呼ぶようになった。
上記を総合判断すると・・・
揚巻=稲荷寿司+巻き寿司=巴衛と悪羅王
助六=揚巻の恋人=揚巻(稲荷寿司(巴衛)+巻き寿司(悪羅王))を食べる(同化する)
ということだろうか。
すなわち、
夜鳥=稲荷寿司(巴衛)と同化したい煌かぶり+巻き寿司(悪羅王)と同化したい毛玉+助六(器)
であろう。
「煌かぶり」の正体は
「煌かぶり」は、奈々生にも最初チョロいと思われて、一瞬で姿を消す役割で、本作品のWikiには名前すら載っていない。しかし、その本質を見れば「ラスボス」である。
まさに「器と本質」である。
それにしても「煌かぶり」とは何の妖怪だったのか。
造形的にはトランプのジョーカーにも思われる。
黒麿とセットでカラーと白黒のジョーカーだろうか。
ツルのような攻撃手法をとっていたことや、煌かぶりの「芸術作品」が植物のように飾られていたことからすると、元々は植物だったように思われる。
食虫植物だろうか。
煌かぶり=植物【仮定】
毛玉=何かの動物
助六=人間
食物連鎖ピラミッドの頂点にいる筈の人間が弱い
=分解されて土に還り植物の栄養になるから。
何が強いか弱いかなんて相対的な問題に過ぎないのだ。
どのレイヤーを見るか、どの切り口でみるかによって変わるものなのだから。
まとめ
今回は、おそらくほぼ需要がないであろう、夜鳥の合成の解明をしてみた。
煌かぶりの小物感(器)と本質が個人的には面白いのだ。